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鈍色のすたるじぃ

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鳴いて血を吐くホトトギス

今朝、起きがけに咳が止まらなくなり、口元を押さえたらティッシュに
僅かに血が付いていた。
口内炎も出来ていないし、唇が切れているわけでもない。
だとしたら…「こ、これは労咳!?」(←いつの時代だ、コラ)
暫く私の中では、妄想がムクムクと膨れあがった。

正岡子規が脳裏を掠める。
文豪というのは、私の中で常に【喀血】と共にある。

神経質そうな青白い表情で、庭先の枯れた木々に目を移す。
よく腫れた青い空は、乾いた空気を送り出しており、
私は、口元に懐紙をあてて空咳を繰り返した。
もう見慣れた、血の色は日に日に濃くなり、自分の身体が死病に冒されていることを
否応なしに証明する。私は、細くなった背中を震わせてもう一度咳をする。
目の前の、木が芽吹くまで私の命は長らえることが出来るだろうか…。
私は、血に染まった懐紙に目線を落として、
闇に吸い込まれる自分を感じ、静かな笑みを零した。

上記の妄想文は、私が勝手に作ったインスタント風景(正岡子規は無関係)ではあるが、
まさにこんな感じが退廃的な文豪のイメージと私の中では見事にLINKしている。

実際の病気の方には失礼な話しなのは重々承知しているが、やはりそういう儚げな雰囲気に
何だか魅力を感じていた。健康な現在があるからの、間違った考えなのかも知れないけども…
「あ〜…何だかいい!!」
小説を読むようになった中学くらいからずっと私の憧れだった。
最近はさすがに子供ではないので【健康一番】主義になり、
そういうデカダンな物は、好きなキャラ&シュチュエーションという枠に移動し、
サイト小説や妄想の中で活躍(?)させる結果になっている。

そして、今朝。
ティッシュを見て、私は色々考えてしまった。
煙草の吸いすぎ?どっか切れてる?
そして、その後、鼻に違和感を感じ、続けざまに鼻をかんだら鼻血がでた(苦笑)
つまりは、最近花粉症の時期に突入したので鼻をかみすぎて、鼻血がでて
それが喉に回った。ただそれだけだったのである。(多分)
何ともかっこう悪いネタではあるが、鼻血で良かった…^^;
やはりマジな【喀血】は小説の中だけで十分である。

中々鼻血が止まらなかったので、仕方がなく片方の鼻にティッシュを丸めて詰めてみた。
誰も見てないしね;;
パソコンの画面の電源を入れるまでの僅かな時間。
黒い画面には、鼻にティッシュを詰めた果てしなく間抜けな自分の姿が映り込んでいた。

起動したパソコンの検索画面にとりあえず入力する。

【家庭の医学】

これが現実。

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